『ウイスキー戦隊・バーテンジャー!!』アイリッシュウイスキー ローアンドコー

2022年9月6日、新しいアイリッシュウイスキーが発売になりました。
※アイリッシュウイスキー⇒アイルランド産ウイスキー

名前はロー・アンド・コー(ROE&CO)
 

2019年にアイルランドに誕生した蒸溜所(じょうりゅうしょ⇒ウイスキー工場)ロー・アンド・コー蒸溜所で造られています。
 

この蒸溜所の建物はもともと、隣にあった黒ビールのギネスビールの工場で使う、電気を発電する発電所でした。
 

使う電気を大きな発電所からの電気に切り替え、自家発電をやめてからは、ずっと使われていなかった建物を蒸溜所にしました。

「名前のロー・アンド・コーって、どういう意味?」

1800年代の半ばはアイリッシュウイスキーの黄金時代でした。

世界で飲まれているほとんどがアイリッシュウイスキーだったそうです。

アイルランドにジョージ・ロー(George Roe)という人物がいました。

彼は当時アイルランドで一番大きい蒸溜所『トーマスストリート蒸溜所』を経営していました。

ヨーロッパの中でも一番大きな蒸溜所でした。

つまり、彼の蒸溜所のウイスキーは、世界で一番飲まれていたウイスキーということです。
 

しかし、アメリカの禁酒法(1919年から始まった、お酒の製造や販売などを禁止する法律)、世界第一次大戦の影響により、売り上げが低迷。

そして、1926年に蒸溜所を閉鎖しました。

ロー・アンド・コー(Roe & Co)は、19世紀最大のアイルランド蒸留所であるトーマスストリート蒸留所の所有者であるジョージ・ローにちなんで名付けられました。

ウイスキー戦隊バーテンジャー参上!

名前は、ジョージ・ローにちなんで名付けられました。

「じゃあ、中身は?」

当時の味を再現したわけではありません。

新ロー・アンド・コーは、カクテルにしてもウイスキーらしさを生かせるアイリッシュ ウイスキーにしたいという、メーカーの目的の元、アイルランドのカクテル文化をリードする5名のバーテンダーたちに協力を依頼。

その5人のバーテンダーは、マリガンズのマイケル・フォガティ、ハウス・ダブリンのケン・ハーリハイ、ヴィンテージ・カクテル・クラブのガレス・ランベ、ブラインド・ピッグのポール・ランバート、MVPのアンナ・ウォルシュ。

蒸溜所スタッフとバーテンダーたちのチームで、100を超える試作品を試したそうです。
 

そして、106番目の試作品が選ばれました。

地道な努力からやっと新ロー・アンド・コーが誕生。
 

バーボン樽のファーストフィル

新ロー・アンド・コーは、ロー・アンド・コー蒸溜所で三回蒸留でつくられたモルトウイスキーと、外部業者から購入したグレーンウイスキーをブレンドしてつくられています。
 

熟成年数は、5年。

モルトウイスキーとは、発芽した大麦を原料にしたウイスキー。
 

グレーンウイスキーとは、トウモロコシなどでつくられたウイスキーで、とてもスッキリした味わいになるようにつくられているのが特徴。
 

アイリッシュウイスキーの特徴は、スッキリしていること。

しかし、ロー・アンド・コーは、ほかのアイリッシュウイスキーとくらべて味わいがしっかりしています。

それは、バーボン樽のファーストフィル熟成のウイスキーを多く使用しているから。

「バーボン樽のファーストフィル?」

バーボン樽のファーストフィルとは、アメリカのバーボンウイスキーの熟成に使った樽に、ウイスキーを詰めて熟成させたもの。

そのウイスキーをファーストフィルのウイスキーと言います。

そのファーストフィルのウイスキーの熟成が終わって、樽から出され、からっぽになった樽に新しくつくったウイスキーを詰めて熟成させる。

そして、樽から出されたウイスキーは、セカンドフィルのウイスキーと言います。

以降、サード、フォースとなります。

なにが違うのかというと、ファーストフィルの方が樽の木の成分が、多くウイスキーにしみこみます。

後になればなるほど、どんどん木の成分が少なくなるので、色、味わい、香りが薄くなっていきます。
 

バーボンウイスキーの熟成に使っていた樽で熟成させるとバニラの香りと甘い味わいがつきます。

つまり、ロー・アンド・コーは、バーボン樽のファーストフィルのウイスキーを多く使っているので、バニラの香り、あまい味わいがしっかりとしたウイスキーです。

洋ナシの木と塔

以前のジョージ・ローの蒸溜所はなくなってしまいました。

しかし、蒸溜所にあったものが、ふたつだけ残っています。

それが、洋ナシの木と塔です。
 

洋ナシの木は今も生きていて、実がなるそうです。

塔は高さ45メートル(15階建てのマンションくらい)のセント・パトリックス・タワー(Saint Patrick’s Tower)という塔です

このセント・パトリックス・タワー、よく見ると、キューポラの上に十字架と杖を手にした聖パトリック像が立っています。
 

このタワーは、ジョージ・ローの蒸溜所が使用していた風車だったのです。

当時は羽根がついていたのでしょうね。

中でウイスキーづくりに使う穀物をくだいていたのでしょう。

風の力で。

ロウ蒸溜所創業の年、1757年に建造。

「スモック・ウィンドミル」というタイプのもので、その手の風車としてはヨーロッパいち古いもののひとつだそうです。

思い出は重いで~

ボトルにはこの洋ナシの木と塔が描かれています。

ラベルの青緑色は、塔のてっぺんのキューポラの色。

キューポラとは、建物の上にある、丸とか玉ねぎ型の屋根のことです。

セント・パトリックス・タワーのキューポラは銅でできていて、その銅が酸化し、青緑色のサビができ青緑色のキューポラになりました。

ウイスキーのボトルをひっくり返すと、ボトルの底に洋ナシの形のくぼみが見つかります。(画像はありません。店で実際に見てみてくださいね。)

かつてあったジョージ・ローの蒸溜所の思い出を大切にしているのでしょうか?

たしかにカクテルにしてもおいしいね

カクテルに使ってもらうことを意識したつくりになっていますね、このウイスキー。

オフィシャルがおすすめしている飲み方がハイボール。

ソーダでわったハイボールではなく、トニックウォーターでわったハイボール。

グラスにはグレープフルーツのスライスを飾ります。
 

グラスに口を近づけると、フワッとグレープフルーツの皮のさわやかな香りが。

一口飲めば、シュワシュワシュワ~ッと炭酸のさわやかさ。

トニックウォーターのほのかに『キュッ』とした苦さが、この一杯全体を引き締めてくれています。

ウイスキーは強すぎず弱すぎず存在感がある。

度数45度と、やや高めのアルコール度数。

これはカクテルで楽しんだときにもウイスキーらしさを失わないようにするためだそうで。

あぁ~、これは夏だけじゃなくて、これからの秋や冬に飲んでもうまいっすよ。

なめらかでフルーティで豊かな味わいが男女共に楽しめるフレーバーです

カクテルにしてもおいしいですが、もちろんそのままやロックなどもイイですね。

こないだ女性にロックでお出ししたら「うん、甘くておいしい♡バニラのいい香り!」と喜ばれてました。

星、5つですぅ~!(堺正章風に)
 

蒸溜所は見学に来た人たちが楽しめるようにつくられています。

トリップアドバイザーの評価で5つ星(2022年9月現在で約300件のレビュー)。

ウイスキーづくりの工程を見学はもちろん、ウイスキーどうしをブレンドする体験ができたり、ロー・アンド・コーを使ったカクテルづくりができたりするようです。

ショップも充実していて、カクテルづくりの道具からコースター、傘、メガネ、ノートなどの小物など、ロー・アンド・コーのロゴの入ったグッズがたくさん売っているそうです。
 

また、パワーハウス・ガーデンというレストランもあってウイスキーに合うこだわりの料理が楽しめるようです。
 

パワーハウスとは『発電所』のこと。

かつて蒸溜所の建物が発電所だったことからついた名前でしょう。

う~ん、行きたいなぁ。アイルランド。ロー・アンド・コーに行って、パブ巡りもしたい。

天満でうまい安い居酒屋巡りから
うってかわって大人のバーへ
このギャップが相手の心をつかむ‼

ひとつひとつのお酒、カクテルには物語があります。

毎週、BAR ALBAのブログでは、お酒やカクテルをわかりやすく解説しています。

ぜひ、ご覧ください。

そして、BAR ALBAへお越しください。

天満とは思えない落ち着いた雰囲気の中で味わうロー・アンド・コー。

するする飲めて、うっかり酔っちゃう。

そんなウイスキー。

使い方はあなた次第。
 
◆ロー・アンド・コー 45%
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